懐かしき対談:南こうせつ&山本コータロー&なぎら健壱: 俺こそはジョン・デンバー党の第一人者である

2012.08.10.06:54

こういうのってよくありましたよね~!販売促進用に無料の小冊子なんてのが、レコードショップではよくありました。ジョン・デンバーがソロシンガーとして、日本で有名になったのは71年の「故郷へ帰りたい」の大ヒットからなんですが、その後も「太陽を背にうけて」「緑の風のアニー」の大ヒットで人気が不動のものになったわけです。

そんな流れの中でこの「ジョン・デンバーの世界」という冊子が作られたのでした。これの後ろのページを見ると発売日や定価など一切書いていないのですよ。つまり無料ってことですよね。でも、無料にしてはすごくって、どんだけ制作費をかけたんだろうって内容になっています♪

 この冊子に登場する方々が錚々(そうそう)たる方々ばっかりなんですよ。湯川れい子さんのライブ記事、落合恵子さんのイメージポエム、安田裕美さんのライブ記事、ジョンのことが好きだとコメントを入れてくれている有名人達というと、井上陽水、山田つぐと、泉谷しげる、石川鷹彦、西城秀樹、山口百恵などなど、ちょこっとずつだけど、嬉しいじゃないですか♪

そんな中でもダントツですごい記事が以下の対談なんです。南こうせつ、山本コータロー、なぎら健壱の3人衆によるジョン・デンバー賛歌とでもいうんでしょうか。こうせつさんのジョンとの出会いと来日して欲しいという熱い気持ちがひしひしと伝わってきます。この対談がこうしてされたのも、やはり、こうせつさんの気持ちの強さのおかげだと言えるでしょう。

何度も繰り返し読んだのですが、詳しい状況が書いてなくて、イメージできなかったんです。でも、ある時、こうせつさんのニューヨークライブの特別番組を見る機会があり、こうせつさんの他の方々とが輪になって座ってしゃべっているシーンを見た時に、ピーンときたんです。

そうだ、こうせつさんはきっとこの対談の時にも椅子の傍らに大好きなアコースティック・ギターをおいてあったにちがいない。そして、即興で「妹」の替え歌をギターを奏でながら、歌ったんでしょうね。こうせつさんもジョンも優れた自分の世界を築いていたのですが、不思議なくらい共通するものがありました。高温域の伸ばし方とか、アコースティックな世界を大切にしているところ、そして環境保護に対して熱心であったことなど。

でも、この対談を読んでみると、こうせつさんは真面目な話よりも女の話しがしたいと言っているところがちょっと意外でしたね。その後10年足らずのうちにこうせつさんとジョンが共演するわけですから、この対談でのこうせつさんの思いがしっかりと実現したことになるんでしょう♪

それでは、この3人衆が気合満点でやっているというイメージを描きながらご覧ください



南こうせつ: 何をかくそう、ぼくがジョンにはじめて出会ったのは今から約3年前、真夏は8月、旧盆まであと数日という深夜のこと。お盆といえば、大分の禅宗のお寺の息子であるぼくの血が騒がぬわけはない。精霊流しのあとのドンチャン騒ぎ、ああ懐かしや、わが故郷の山河・・・などと感傷にふけっていると、どこからともなく聞こえてくる素朴な音色・・・、ふと我にかえると、そこはコモエスタ赤坂、TBSラジオのスタジオ。
 
 実は南くん、アメリカ旅行中の北山修選手のピンチヒッターとして、TBSの深夜番組バック・イン・、ミュージックのDJをあいつとめてという次第。
 
 ぼくはあわててディレクターにその胸にジーンとくる歌は何たる曲ぞ!」と聞いた。するとディレクター氏答えるに「よくぞ聞いてくれました。さすがは南くん」とは言わなかったが、「これがジョン・デンバーの『故郷へ帰りたい』だ」という。

「いい曲ですね。日本のヒット・チャートの一位になりそうな曲だな・・・」とぼく。
「うん、こういうのが一位になったらいいんだがね」とディレクター氏。
 
 いや、これがジョン・デンバーとの初の出会いだったのだけど、憎いことに彼、ぼくらがやりたいと思っていたこと、望んでいた音をもう見事に確実に表現していたんですな。その時ぼくの胸の中には、こみあげてくる郷愁の念と共に、ジョン・デンバーの名が強くやさしく刻み込まれたというわけなのである。おわかりかなコータロー先生!

山本コータロー: 何を気取ったこと言ってるんだろうね。こうせつ先生は・・・。ジョンとの初めての出会いといえばこちとらのほうがチョイとカッコいい状況だったんですな。正真正銘、ぼくちゃんなんざあ~、アメリカでデンバー君と出会ってるんだよ。
 
やはり3年前の夏、プレスリーのショーを見にアメリカへ行ったのだけど、ロスに着いてバスに乗ったとたん、カー・ラジオから流れてきたのが「故郷へ帰りたい」当時この曲がアメリカでは大ヒット中だったらしく、ホテルをはじめ、行く先々のレストランやコーヒー・ハウスからもイヤというほど「故郷へかえりたい」が聴こえてきて、その時以来、この曲にイヤというほど惚れ、ジョン・デンバー氏を愛してしまったわけですよ。なあ、なぎら先生!

なぎらけんいち: 何を言ってやんでえ~。アメリカで聞きゃいいってもんじゃないよ。カントリー系の音楽といや、俺なんかフーテンの寅さんが柴又帝釈天でウブ湯につかっていることから聞きまくっていたのだからね。
 そんなわけだから、カントリーをベースにポップ的要素を盛りこんだジョン・デンバーの新鮮な感覚を見逃すわけはないというもの。葛飾にバッタならずして《葛飾にジョン・デンバーを見た》というわけ。「

 カントリー・ロード」など何度聞いたかわからないし、耳にタコができるどころか、身体中タコだらけ、ホント死ぬかと思ったよ。自分の最初のレコードを作ったときなども、大げさに言えば「カントリー・ロード」を聞きながら、オリジナル曲を歌ったり演奏したりで、レコーディングしたものさ。何か言いたいことあったら、こうせつ選手、どうぞ!

南こうせつ: なぎらのダンナも割とおっしゃるじゃありませんか?彼の場合、確かに基本はカントリーなんだけど、学期の構成にしろ、編曲にしろポップス的フィーリングがあるでしょう。だから惚れたという点じゃ、まあ同感だ。ぼくもアメリカ人じゃないから、純然たるカントリー、カントリー一直線だとあきちゃうんだけどね。その点デンバー君は顔に似合わず、ナウな方ですよ。
 
 言ってみりゃ、古き良き時代の人々の心と、今の複雑怪奇、息づまりそうな社会の中に生きているぼくらの心との接点を見出し、音楽を作っているような感じがするね。
 
 音楽会もニュー・ロックだ、やれ、レッド・ツェッペリンだ、ピンク・フロイドだって、だんだん難しく理屈っぽくなってきた時でしょう。ジョン君がでてきた時は・・・。彼の音楽はメロディーも覚えやすいし、コード進行もやさしいし、生ギターなどナマの音中心だし、そういうやさしい旋律がものすごく新鮮に思えて、ぼくなんざ~、キリスト以来の救世主登場って狂喜乱舞、思わず聖書にキスしたもんだよ。ちと、オーバーかな・・・?

なぎらけんいち: いやいや、サウンドの話なら俺にまかせといてよ。カントリー・ロックと言われる連中、例えば、ニッティ・グリッティーとかホワイト・ライトニーとかいろいろいるけれど、彼らは完全にカントリー楽器を使いまくってるって感じだろ。ところがジョン・デンバーの場合は、美人の薄化粧みたいに実にさりげな~くカントリー楽器を使っているんだよね。
 
 でも、よく聞くとサウンドはえらく厚みがあることがわかる。厚いといってもババアの厚化粧なんて品のないものじゃなく、バックに忍者が大勢隠れているんじゃないかって感じ。つまりかくし味的な音がいっぱい入っているんだな。
 
 この辺がまた実にニクイところなんだけど、コータロー選手はわかるかね・・・。

山本コータロー: わからないわけがないでしょうが、先生は薄化粧の厚化粧の、女郎屋の因業みたいなこと言ってるけど、僕がジョン・デンバー君のことを、どんなにメンドウ見てやったか知ってるかい?
 
 もう4年近くもぼくはバック・イン・ミュージックのDJをやっているけれど、「故郷へ帰りたい」が大ヒットしていた当時より今日に至るまで、あの大TBSの資料室にこの曲がないのだよ。盗まれたのか連れ去られたのか知らねども、ことほどさように引っぱりだこというわけ。とはいえかけずにおらりょうか・・・てんで、放送でかけたい時は必ず家から自前のレコードを持っていてるんだよ。こんな話はTBS創立以来のこととか。実際ジョンってヤツは罪な男ですなぁ~。

南こうせつ: おいコータロー!個人的な関係で彼を罪なヤツなんていっちゃ、それこそ「罪なことだよ、せんせ~い。個人授業は、アッハハハハハ~」ってフィンガー・ファイブも歌ってる通り・・・?デンバー君はね。この郊外で満タンの機械優先の社会、使い捨て文化の悪弊に身も心も浸されていた人間に、自然の素晴らしさを教え、反省を促した音楽の使者ですよ。日本で言えば、自慢じゃないが、我がかぐや姫がその代表、といいたら言いすぎかもね。
 
 いや、とにかくジョン・デンバーには人間の静かなる叫びがこもっていて、安らぎを覚えますな。

なぎらけんいち: ホォ~、こうせつもなかなかいいこと言うね。ジョン・デンバーこそ現代のホーボー、さすらい人だ。アメリカの生んだ偉大なる放浪の詩人、ウディ・ガスリーの再来と言えるんじゃない。いや、俺が保証するよ。
 
 例えば、ニール・ヤングなんかステージじゃ汚いカッコウしているけど、立派な豪邸に済み、家では大金持ちの生活してるんじゃないかって思わせるところがあるんだよ。でもデンバーの場合は、なんかやっぱり汚い所に住んでいるように思えるんだな。実際にはあんなに売れてるんだから、そんなことないだろうけど・・・。人徳だろうねぇ~。

山本コータロー: なぎら先生もさすがに柴又の鬼才(?)だけあっていいこと言うね。ジョン君の場合は、カントリーっぽいといっても泥臭くなく叙情的なんだな。最近の曲では、「太陽をうけて」「緑の風のアニー」なんか大好きだし、疲れた時などに聞くと、ほんとうに頭のテッペンから足のツマ先までスッキリするし、ぼくのこのギョロ目も安らかにフタを閉じて、オネンネできるみたいだ。「岬めぐり」のコータローとしては、これからもジョン・デンバーめぐりをすることまちがいなしだ。

南こうせつ: コータローが「岬めぐり」を出すなら、ぼくとしても「妹」を出さねばなるまい。「妹」の替え歌をデンバー氏に捧げるとしよう。
 
 ♪ジョンよ お前は器量はよくないけれど
 俺はまったく心配していなかった
 キミは 素晴らしいアーティストだから
 たまには日本に来て 酒でもつき合ってよ♪


まぁ、器量のよくない点じゃ、ぼくも負けていないけど、顔を見てるだけで、いかにも浸されていない顔だとわかるし、誠実そうで味がある・・・この点でぼくと同じだ。歌い方も誠実そのものって感じだし、紙がなた大らかで、のびのびしている。いいねぇ~!

なぎらけんいち: デンバー氏の詩といえば、日本のなぎらか、アメリカのデンバーかってくらいのもの。美しいよ~!20世紀の傑作「悲惨な戦争」(もちろん、なぎらけんいち作詞・作曲)ふうに言えば、「わたしは かつてあのような 牧歌的な素晴らしい詩を見たことがない~」てなことになるかな。大上段に批判の言葉を投げつけるようなイヤ味もなく、スラングなんか全然使わないし、ほのぼのとしたアメリカ的雄大さ、広がり、暖かさ・・・なんてのを感じるね。

山本コータロー: そうそう、澄んだ詩に澄んだ声。ロッキーにこだまする大自然のひとり言って感じ。まぁ、なぎら先生、顔のことはお互いに言わぬが花ってところだけど、年を感じさせない可愛いさが非常に親しみを感じさせるね。

なぎらけんいち: そう言えば、こうせつのフンイキもあるね。あの顔は・・・。

南こうせつ: いやいや、ホメられてるのかケナされているのかわからんけど、あの顔は自然を愛し、自然と共に生きてきた男じゃなくちゃできない顔だよ。
 
 それにしても日本に来てくれないかねぇ~。ぼくは飛行機恐怖症で、絶対あの機械鳥に乗らないことにしているから、アメリカに聞きに行きたくても行けないんだよ。もし日本に来て会うことができたら、音楽のことじゃなく、女のことなんかを話してみたいなぁ~。

なぎらけんいち:俺 もコンサートを見に行きたいけど、金はあってもヒマがないんだよ・・・ってのはウソだってすぐわかるかな・・・・?

山本コータロー: わかるわかる!ジョン君はホラを吹くような男じゃないよ。3人で《ジョン・デンバー来日促進同盟」でも作って、RCAにでもデモをかけるか・・・。
                                【John Denver ジョン・デンバーの世界】

http://www.youtube.com/watch?v=JxHURXOxt_I
岬めぐり 山本コータローとウィークエンド

http://www.youtube.com/watch?v=Va87dbue-mk
妹 / かぐや姫(伊勢正三 南こうせつ 山田パンダ)

http://www.youtube.com/watch?v=WccI8kh4L8E
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Secret

No title

2012.08.10.13:08

長い対談を、ありがとうございます。
お三人さんの楽しい雰囲気が良く伝わってきました。
まだ中学生だった自分が感じたことが、間違ってなかったんだな~
ジョンを好きになって、今こうして懐かしく思いだすことができて嬉しいな~と思っています。

昔はレコードの歌詞カードには、歌詞以外にも、解説とかたくさん書かれてあって、ふむふむと読んで勉強になったのを覚えています。
最近は、解説を書ける人も少なくなってるのかな?

また、楽しい記事待ってます。

楽しいですよね~☆

2012.08.12.08:08

あつこ様、

長いのに読んでくださり、ありがとうございますv-436

本当に面白い対談ですよね。こんな楽しい話しをいっぱいしていたんだろうなぁ~って思いました♪

今にしてみればすごく希望に満ちたいい時代だったと思っています☆

>昔はレコードの歌詞カードには、歌詞以外にも、解説とかたくさん書かれてあって、ふむふむと読んで勉強になったのを覚えています。最近は、解説を書ける人も少なくなってるのかな?

私が思うには、レコードからCDに移行して、書くスペースが小さくなってしまったのが原因だと思います。それと、世界的にCDそのものが売れなくなり、音楽会社も経費を削減せざると得なくなったんですよ。ですから、解説そのものをあまり書かなくなったのです。解説を書ける人がいなくなったのではなくて、その解説にお金を出すところがなくなってしまったんですよ。音楽評論家だけじゃなくて、いろんな世界で経費削減したために仕事を失っている人が多々いるというわけですね。時代は移り変わるということをひしひしと感じています。

No title

2012.12.29.23:20

年の瀬の今日、この記事を見つけました。
貴重な資料ですね。当時のレコード会社の意気込みが感じられます。
この大作を打ち込んだマーヤさんの熱い気持ちと気迫が伝わってきます。
相当な時間をかけたでしょうね。脱帽です。

今日は♪

2012.12.30.07:45

mikitaka08 様

この過去記事を見つけてくださり、ありがとうございますm(__)m

読むのは早いですが、書きこむのは結構大変でした。この当時のレコード会社の入れ込みぶりもよくわかりますよね。それと、南こうせつさんの愛情の深さも今さらながら、強く伝わってきます。

こうせつさんのジョンへの愛情もずっとこの時のままなんだと思います。

ひとつだけ補足させてもらうとジョンのギターはそんなに簡単ではないですけれども、簡単に思わせるところが本物のプロフェッショナルなんでしょうね。フォーエバー・ジョンですv-238

v-269
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