「カントリー・ロード」(故郷へ帰りたい)誕生秘話~ジョン・デンバー 第13回目の10月12日メモリアルデーによせて

2010.10.12.01:25

1970年の出来事。ジョン・デンバーは崖っぷちに立っていました。1969年にRCAでのソロデビューを果たしたものの、ヒットに恵まれず、今度のアルバムが契約の最後のアルバムになろうとしていたのです。そんな危機一髪の状況の中でのドラマチックな歌との出会いがあったのでした・・・。

皆さん、こんにちは!愛しのジョン・デンバーが亡くなって13年の年月が経ってしまいました。メモリアルデーである今日10月12日、ジョン・デンバーへの哀悼歌として彼の代表作である「カントリーロード」(故郷へ帰りたい)の誕生秘話についてお話ししてまいりましょう。

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「カントリー・ロード」という名で親しまれているこの歌は、邦題が「故郷へ帰りたい」(原題 Take Me Home,Country Roads)で、ジョン・デンバーの大ヒット曲としてよく知られています。実はこの曲はジョン・デンバーが一人で作詞作曲したのではなく、ビル・ダノフとタフィ・ナイヴァートとの共作だったのです。

当時ビルとタフィはワシントンDCにあるジョージタウン大学の学生で、ファット・シティ・バンドというバンドを組んで小さなライブハウスで歌っていました。レコーディングもしていたけれど、ヒットには恵まれていませんでした。そんな二人の将来性を見込んだプロモーターのサム・ラハメドゥーが彼らにジョン・デンバーのライブの前座をしないかと声をかけたのです。そういったきっかけでジョン・デンバーとビルとタフィーは一緒に仕事をすることとなったのです。

さて、「カントリーロード」のアイディアの元となったのが、ビル・ダノフに送られてきた1通の手紙です。この手紙はウエストバージニア山脈に住むビルの友人からものでした。これを元にビルは「カントリーロード ウエストバージニア」という曲想が思い浮かんだというのです。ビルとタフィーは二人でこの曲を完成させようとしていましたが、一ヶ月経っても完成させることができなかったのです。

そういった状況のうちにワシントンDCにあるセラードアーというライブハウスでのクリスマスライブが始まりました。ビルとタフイーが前座として歌い、その後にジョン・デンバーがソロライブを歌いました。ライブが終わった後、ジョンは妻のアニーやマネージャーのクリス・オコナーらと車に乗り、ビルとタフイーの家に向かいました。道中、思わぬアクシデントに出会い、ジョンは親指を骨折してしまいました。急いで病院にかけつけ、テーピングをしました。それで、なんとかギターが弾けたというのです。そしてしばらくして、ジョンたちはビルとタフィーの家に到着したのでした。

当時、コンサートの後には興奮して夜も眠れない昼夜逆転した暮らしをしていたようで、その時にもこのまま夜明けまで起きていようということになったのです。ビルをタフィーはジョンに作りかけの「カントリーロード」を歌って聞かせました。するとジョンはすぐにこの曲に飛びつきました。「そうだ、この曲を完成させよう!」と・・・・。

ジョンは「この歌の第2節の歌詞がラジオ向きではないよ!」と指摘し、この部分を書き換えたのでした。

ビルとタフィーが書いた最初の第2節はこんな感じでした・・・↓
≪最初に書かれた2節目の歌詞≫
雲に隠れた小さな丘の山の上
ピンクと紫の
ウエストバージニアの農家が見える
裸の女とキリストに似た男たち
そしてポンチョという犬が
ネズミをもて遊んでいる


ちょうど60年代にアメリカで流行していたヒッピーのファッションや生活ぶりを描いたものでした。この部分をジョン・デンバーが故郷に対する思いに書き換えたのでした。

≪ジョン・デンバーによって書き直した歌詞≫
あの山には思い出がいっぱい
恵み深い豊かな土地 青い海からは遠いけど
暗く埃っぽく色づいた空
月明かりが霞んで 涙がこぼれる

朝になると彼女の呼ぶ声が聞こえる
ラジオが遠く彼方の僕のふるさとを思い起こさせるんだ
車を走らせているとついこんなことを思ってしまうんだ
昨日のうちに帰っていれば良かったと
昨日のうちに・・・


ジョン・デンバーの書きかえによって、ヒッピーのカラフルな格好の情景から、懐かしい故郷の情景へと一気に雰囲気が変わってしまいました。いかにもジョンらしいホロリとする詩になりましたね☆

こうして一晩のうちに出来上がった新曲「カントリーロード」を、その次の晩のライブのアンコールのときにジョン・デンバーはビルとタフィーをステージに呼び、初めて観客の前で披露したのです。すると初めて歌う曲だというのに、大歓声が上がり、聴衆は大喜びだったというのです。そうして、この「カントリーロード」がすぐ様シングルとして発売されることとなったのでした。

ライブが終わると観客の一人が歩みより、「ブルーリッジ山脈はどこにあるか、ご存知かな?」と聞くのでした。なんとブルーリッジ山脈はウエストバージニアにはない山だったのです。ビルはウエストバージニアには行ったことがなく、困ってしまい「これはウエストバージニアへ行く途中の風景を歌ったものなんだ」と苦し紛れに答えたというのです。その後、ビルとタフィーの元にファンが訪れ、「私は主人と一緒にこの歌の風景のあるところに行ったのです。」と語りかけてきました。ウエストバージニア州のハーパース・フェリーという町からブルーリッジ山脈が見え、シャナンドウ川が見えるというのです。「この歌の通りに本当に天国のように美しい風景でした」とそのご婦人は語り、それを聞いたビルとタフィーはとても嬉しかったというんですね~。ジョージタウンのアパートで出来上がった歌でしたが、その歌の通りのイメージだったというのですから・・・。

さて、70年のクリスマスシーズンに完成した「カントリーロード」は翌年71年の3月8日にシングルが発売され、3月下旬には50位のヒットチャートにランクインし、7月にはトップテンに入り、8月にはミリオンセラーとなったのでした。

この大ヒットのお陰でジョン・デンバーはRCAでの契約を更新し、新たなる飛躍のきっかけとなり、ビルとタフィーもジョン・デンバーと同行してミュージシャンとしてのキャリアをあげるとことなったのでした。



[カントリーロード」(故郷へ帰りたい)作詞・作曲 ビル・ダノフ タフィー・ナイヴァート ジョン・デンバー

まるで天国 ウエストバージニア
ブルーリッジ山脈 シャナンドウ川
生きる命はそこに息づき、木々より古く
山々よりも若い
そよ風のように活き続けている

田舎道よ 僕を連れていって
僕の住んでいた家に
ウエストバージニア 母さんのような山よ
僕を連れていって 田舎道へと

あの山には思い出がいっぱい
恵み深い豊かな土地 青い海からは遠いけど
暗く埃っぽく色づいた空
月明かりが霞んで 涙がこぼれる

朝になると彼女の呼ぶ声が聞こえる
ラジオが遠く彼方の僕のふるさとを思い起こさせるんだ
車を走らせているとついこんなことを思ってしまうんだ
昨日のうちに帰っていれば良かったと
昨日のうちに・・・




ジョン・デンバーが飛行機事故で亡くなって13年も経ってしまいましたが、この「カントリーロード」の、その根底にあるふるさと、故郷、我が家というイメージをいつまでも若々しく生きています。この歌の歌詞の通りでもあるのですね。ビル・ダノフの心に浮かんだイマジネーションはタフィーの協力とジョン・デンバーのアイディアで、ひとつの歌へと導かれました。今や世界20カ国以上の国々で歌われ、イギリスではドライブの時に聴きたい歌のナンバーワンに選ばれている歌です。

ジョン、ありがとう、素敵な歌を作り、そして歌い続けてきてくれて・・・・。それでは、これをもってこの10月12日のメモリアルデーのメッセージとさせていただきます。みんな、読んでくれてありがとう~☆

【参考資料】
Take Me Home John Denver An Autobiography
ジョン・デンバー 「カントリー・ロード・コレクション」
ローリング・ストーン・インタビュー「ジョン・デンバー ロッキー山脈の健康児」
NHK 「名曲誕生物語」カントリーロード
「ロッキンf」 2月号臨時増刊(1978年)「ジョン・デンバー その世界と音楽」

この歌の誕生について知ると、やっぱりビルとタフィーとジョンの3人が歌っている姿にグッとくるものがありますね☆
http://www.youtube.com/watch?v=ukUL_I14GPw


詩と祈りと誓い
詩と祈りと誓い
Poems, Prayers & Promises/Fare
Poems, Prayers & Promises/Fare

JOHN BEATLE LENNONさんが「カントリーロード」にちなんだ記事を書いていらっしゃいます。こちらからどうぞ↓
懐かしき洋楽ヒット~故郷へかえりたい ジョン・デンバー

【関連記事】
『耳をすませば』ー月島雫の『カントリーロード』-ジョン・デンバー『故郷に帰りたい』

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comment

Secret

初めてでも、懐かしさを感じさせられる

2010.10.12.07:05

「今日の記事で、こちらのブログをリンクさせていた来ました」とお知らせに参ったのですが・・・

こちらでもリンクしていただきありがとうございました(笑)
v-22
この曲が、即座に観客に受けたのはよく分かります・・・
初めてでも、懐かしさを感じさせられる・・・
英語のわからない僕でも、初めて聴いたときから、そんな感じでしたから、アメリカ人ならなおさらでしょうね!

2010.10.12.10:03

カントリーロード秘話、じっくり拝読しました。
いやぁ!勉強になった♪
当時のカルチャーに染まることなく、ジョンの世界観が余すとこなく広がるこの曲は、ジョンの単独作品だとばかり思ってました。なるほどですね、それはすごい!
とにかくこの曲の凄いところは、一回聴いただけでもかなり記憶に残るというキャッチーさでしょう。そして、メロディと「カントリーロード」とか「ウェストバージニア」とかいう言葉が実にしっくりとマッチングしていることだと思います。
たまにですが、時々カントリー系のライブレストランに行くことがあるのですが、この曲は今でも定番の一つですよね。皆歌うし。この曲を演奏し始めると、会場が歌声喫茶状態になっちゃうですよ(^^;

素晴らしい記事でした

2010.10.12.12:34

マーやさん
素晴らしい記事をどうもありがとうございます。
過去に、いろいろちりばめられていた「カントリー・ロード」の誕生秘話が、実にうまくまとめられていますね。読んでいてワクワクしてしまいました。
この曲は本当に20世紀が生んだ名曲の一つですね。
昔、アメリカの友人と車でウエスト・バージニア州を通りかかった時、その友人のお父さんがここを通る時はいつもカーステレオで「カントリー・ロード」をかけるのだと話していました。
ビルの厭世観とジョンの明るさ、懐かしさがうまく融合された、素晴らしい曲ですね。
紹介されている映像も、最もカントリー・ロードらしい演奏で、大好きですよ。

2010.10.12.23:02

こんばんは!

カントリーロード誕生秘話、読ませていただきました。
この日にぴったりの素晴らしい記事ですね。

全然知らなかった内容で、
歌詞が完成するくだりなど、とても感動しました。

私など、ビルとタフィは、なんとなく男性二人組かと思っていました。(タフィって、女性の名前ですよね!?)
映像も初めて見せていただいて嬉しかったです。

ありがとうございました。


こんばんは^^

2010.10.12.23:17

こんばんは^^
今日がジョンの命日なのですよね。
カントリー・ロードにこんな裏話があったんですね。
13年もの月日がたってしまったんですね。早いもんです。

メモリアルデーへのメッセージ

2010.10.13.06:37

JOHN BEATLE LENNON様

早速のコメントをありがとうございますm(__)m
実はこの記事をジョンの命日の前に完成させてもう一つ書こうかとも思っていたのですが、記事としてまとめるのに結構時間がかかってしまったんですよね~^ ^

でも、今インターネット上でこれほどの解説はいままで書かれたことが、おそらくなかったかと思うので、ジョンの名誉をかけて、書けてよかったと思っています☆

>この曲が、即座に観客に受けたのはよく分かります・・・
>初めてでも、懐かしさを感じさせられる・・・

そうですね。不思議なもので、初めて聴いても乗れる、懐かしさを感じさせるんですよね。こうして記事を書いてみてこの「カントリーロード」の良さを再認識してしまいました♪v-218

一度聴いたら忘れられない魅力☆

2010.10.13.06:44

のんき様

ありがとうございますm(__)mテレビをご覧になった方はご存じかと思いますが、多分1回しか放映されていないし、ご存じない方のほうがはるかに多いと思います。

こうしてこの歌のバックグランドに触れると、歌の魅力がますますわかって嬉しさもひとしおですね。それしてものんきさん、時々カントリー系のライブレストランに行くことがあるんですね。

>この曲を演奏し始めると、会場が歌声喫茶状態になっちゃうですよ(^^;

そういうシチュエーションを体験してみたいな(*^^)v みんな、こういう「カントリーロード」みたいな歌が好きだし、盛り上がれるんですね♪v-238

素晴らしき誕生物語

2010.10.13.06:56

George様

ありがとうございます☆想像以上にまとめるのに時間がかかってしまいました。

日本では、この誕生秘話について知っている人がほとんどいないだろうと思うので、こうしてまとめることに意義があったと思います。ジョンとビルとタフィの若かりし頃が思い浮かび、私自身にとって再発見になりました。

>ビルの厭世観とジョンの明るさ、懐かしさがうまく融合された、素晴らしい曲ですね。

この二人の性格の違いがうまくミックスされてみごとな出来栄えでしたよね!

>昔、アメリカの友人と車でウエスト・バージニア州を通りかかった時、その友人のお父さんがここを通る時はいつもカーステレオで「カントリー・ロード」をかけるのだと話していました。

欧米では日本以上にこの「カントリーロード」に対する人気は根強いでしょうね~v-22

おっしゃる通り、20世紀が生んだ名曲の一つですね。♪

意外なストーリー展開でしたね♪

2010.10.13.07:01

kuta kuta様

ありがとうございますm(__)m

このストーリーはジョン・デンバー ファンでもあまり知られていないと思います。私も当時のわくわく感が体感できて本当に良かったと思っています。

>私など、ビルとタフィは、なんとなく男性二人組かと思っていました。(タフィって、女性の名前ですよね!?)

ビルとタフィはスターランドボーカルバンドのメンバーなんで、いつかそれも記事にしたいと思っています。どうか楽しみにしていてくださいねv-238

いつまでも心に残る歌ですよね♪

2010.10.13.07:05

saya様

ありがとうございますm(__)m

ジョンの命日なので、原点に帰るつもりで書きました!
「カントリーロード」が誕生してもう40年も経つのですね。長い年月とエバーグリーンの歌、ジョンの心そのものだと思いますv-22v-218v-269

こんにちは~^^

2010.10.14.11:49

カントリーロードは歌いやすい節回しを感じます。
歌詞も覚えやすくジョンデンバーの曲ではもっとも弾き語りしやすかった、、
そんな思い出の曲です。。^^

弾き語りにグッドですね☆

2010.10.15.05:51

おーちゃん 、

こんにちは~☆

歌いやすいですよね。先日のドライブの時も気持よく歌えましたよ~v-264

>歌詞も覚えやすくジョンデンバーの曲ではもっとも弾き語りしやすかった、、 そんな思い出の曲です。。^^

「カントリーロード」が弾きたくてギターを買いましたもの。でも、うまく弾けなかったけれど(笑)

こんにちは !!

2010.10.16.14:26

マーヤさんへ

これは素晴らしいですよ・・・・一気に読ませていただきました。
私などは、途中で説明をついつい省略してブログを書いてしまっていて、恥ずかしく思った次第です。

ジョンとビルとタフィの出会いから、多くの人々への共感と輪が広がった名作であったことが、よく伝わってきました。

30数年前に野外でフォークキャンプをやっていた時に、外人が飛び入りしてきて歌ったのが「カントリーロード」だったこと思い出しました。

どんなカントリーロードも素晴らしく…

2010.10.16.19:03

ここのYou tube.の「カントリー・ロード」、ジョンの歌声の素晴らしさもさることながら、女声のハモリ!も得も言えず心に深くとどいてきます。

歌そのものの素晴らしさでしょうか…アニメで歌われた本名陽子さんのカントリー・ロード「耳をすませば」もからだの隅々に音楽が響き届きます。

http://www.youtube.com/watch?v=yfCgFuFcOrY&feature=related

感動物語でしたね♪

2010.10.17.05:50

タウン・ワンダー 様

こんにちは!読んでいただき、恐縮です。ありがとうございますm(__)m

実は私も簡単な記事ばかり書いていたんです。でも、このジョンの一番有名な曲なのに、正確かつ詳しい情報がインターネット上にまったくといってなかったので、ファンとしてなんとかしたい思って、この日に書いたんです。

名曲誕生の裏には,ジョンとビルとタフィとのすてきな出会いがあったし、作品ができあがった夜明け、お披露目のライブでの歓声が目に浮かぶようですね☆

>30数年前に野外でフォークキャンプをやっていた時に、外人が飛び入りしてきて歌ったのが「カントリーロード」だったこと思い出しました。

キャンプ場で歌うのが最高ですよね♪私も飛び入りしたい位ですv-218

みんなで楽しく歌えますよね♪

2010.10.17.05:57

デ某様

ありがとうございます☆

>・・・女声のハモリ!も得も言えず心に深くとどいてきます。

この女性がタフィで、以前「見上げてごらん 夜の星を」&「友への誓い」の記事で美しいコーラスを聴かせてくれた人なんです。再発見ですよねv-354

「耳をすませば」も素晴らしいですよね。ジブリ映画の傑作でもあるし、ジョン・デンバーと日本をつなぐ架け橋のように思います。これもまた大好きです☆

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